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 大規模な投資をしなくてもかなり正確な空力開発は可能です。

風洞のサイズを半分にすると必要なコストも時間も立方根に近い値で減少していきます。

例えば吹き出し口サイズを半分にして、且つ風速を半分にすると必要電力は1/32に激減します。

計測精度がそれに比例して悪くなるかというとそうでもなく1/10サイズモデルでも冷却関係の大雑把な検討は十分に可能なくらいです。

大きな風洞はディテールを詰めるのには必要ですが 大きなゲインを追求するのには時間とコストがかかりすぎるという欠点があります。 

小さな風洞で大方を完成させ、熱害やら風切り音らの細かい点を大風洞で熟成すれば理想的です。

ではどこまで小さくしても意義ある数値が出るのかと言う事になりますがその検討の結果として作られたのがこの風洞です。

 

Super Small Tunnel (SST)

どこまで風洞を小さくしても意味あるデータを引き出せるかという実験を数多くおこなってきました。 それは噴出し口〔ノズル)サイズとモデルの前面投影面積の関係、及び 計測感度、精度等です。 そしてスタイリングデザイナーでも簡単に精度を出せる工夫が織り込まれています。

 空力の予備知識は必要ですがこの風洞によってかなりの性能まで持っていけることと、殆どの空力的失敗作は防げることでしょう。

付加物、形状変更がどう性能に影響するかなどには十分な性能を持っています。

 

この風洞の性能テスト及びその方法 

  主な検討項目

1.       レイノルズ数のドラッグ値にたいする影響

2.       モデルの精度

3.       Cd値及びリフトとダウンフォースの精度


                      Photo 2: 実車風洞での相関テスト



Photo 3: SSTでの相関テスト

モデル(1/18モデル5.6%)のSSTでのテストと、対応車種の実車に対応部品を装着し、実車風洞にて相関テストを行う。

テストアイテムは以下を検証するための8つのパーツ

1:車両前部の流れの相関を検証できる付加物

2~4:ルーフからリア近辺での流れの相関を検証するための付加物

5~6:床の境界層付近での相関

7:ボルテックスジェネレーターを使った床下での相関

8:内部流の相関

 

以下は左側がそれぞれ8つの対象パーツを取り付けた1/18モデルで,右側がそれと同じ形状のパーツを取り付けた実車の写真。

    
Photo 4: Model                                               Photo 5: Full size test car

 

 

結果の前にレイノルズ数とモデルの精度について説明

Reynold’s number effect  

The study “Effect of Reynolds Number on Scale-model Wind Tunnel Tests of a Passenger Car” (SAE 20045531) by Dr.Ishihara SAE報告書より。これは実車と20%モデルを使用し、風洞の風速を変化させながら幅の広いレイノルズ数でCd値がどう変化するかの実験結果です。
車種は
2種類で2仕様ずつでの結果です。これから導きだしますとSST1/18モデルではCdは高レイノルズ数での値にくらべて約0.055から0.075高く計測されることが予想されます。 
高いレイノルズ数から
SSTの小さなレイノルズ数まで曲線は急激に変化することはなく、データは信頼できることが伺われます。 
表の縦軸は
Cd値、横軸はレイノルズ数で実車換算速度が併記してあります。SSTでの計測値に0.055-0.075を加えればほぼ実車値ということです。データ比較を最高速の190kphではなく120kphを使用したのは高速では車高が変化するからです。


Model Accuracy

 レイノルズ数とモデルの精度が議論の中心になるのですが、精度を検証するためにここでは Z33の1/18モデルをスキャナーでスキャンしそれを18倍し、実車の製造図面と重ね合わせて比較しています。(モデルは日本のモデルアート社製 ダイキャストモデル)




            Photo 6:  Two yellow lines are laid over each other.

写真6の上は車の中心線での断面、下はZ 軸タイヤ中心付近での断面です。

両者とも同じ黄色であらわしているので少し見ずらいですが2本の線はほぼ全体にわたり一致して重なっています。 フロントのアンダーパネルがずれていますが後にモデルを修整してあります。上の床下の断面形状は、スキャナーでは簡単には届かない箇所も一致していますので図面からモデルを製作したと思われます。


                              Photo 7: Computer screen of SST



テスト結果–Matched accurately

テスト項目:左より右へ 
 ベースカー、グリル閉じ、フロントスプリッター付き、リアトランク上げ、リアスポイラーにガーニー、
エアダム小、エアダム大、フロントスプリッターにボルテックスジェネレーター





Fig 1: Test Results

計測されたCdは実車のそれより0.055から0.075高く観測され、それはDr.Ishiharaの実験結果からの予想値と合致。 全てのパーツの結果は実車のそれと可也の精度で合致している。
(C
lfの
Air Dam Lの項で乖離がみられるが境界層厚みのちがいによると考えられる)

 

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Test conditions

     両風洞は固定床のセミオープン回流タイプ

     両風洞の乱流度は同じではない

     ノズルから車両までの距離はスケール値と同様

     両風洞の境界層厚みはスケール値とはマッチしていない

     両風洞の流れ軸方向の静圧分布はマッチしていない

     両車両の詳細は図面とスキャンおよび目視チェック

     幾つかの箇所の精度はマッチしていない

     スケールモデルのエンジンルーム内は単純化されている

 

Boundary Layer Thickness

SSTの床境界層は車両長さ全体にわたりムービングベルトの助けなしに2mm程度。

フルサイズ換算で36mm。



                             Fig 2: Boundary Layer Thickness


 

                              SRS BLT equalization floor

Repeatability

再現性

 実車との相関性は良いに越したことはありませんが、空力屋はこの再現性の方をもっとも重視します。今日ある車をテストし、全く同じ車を1日後に、あるいは2ヵ月後にテストしたときに今日のテスト結果とどれだけ乖離しているかです。この値があまり動いてはテストにならず、レースカーのように1000回のテストで5%向上を目指すなどのテストには使えません。F1のトップチームの風洞の再現性は2006年当時にはCd値で0.5%、2013年当時では0.2%付近です。SSTは約0.2-0.3%ですので非常に良い値です。 

 

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Specification

Read front & rear lift or down-force and drag force.

Fixed air speed.

Laser positioning.

Air bearing support.

A model weight should be within 0.6kg to 2.5kg.  (1.5 to 5.5lbs)

Common 1/18 die cast scale model is around 0.6kg.

Wheel base of the full size car: 2.35 to 2.95 meter

Max outside track with of the full size car: 1.98 meter

Min. inside track width of the full size car: 1.1 meter

Custom tread and wheel base can be made.

Read Cd: 0.000,  CLf:0.000 ,  Clr: 0.000

Yaw capability: SST is not designed to test at yaw condition, but you can yaw about one degree,
depending on the model you test.  

Power requirement

100VAC-115VAC, 50-60Hz, 8-10 Amp.

Different voltage is upon request.

Air supply is required:  7kg/sq.cm, 90PSI or 0.68MPa with minimum of 1 gallon tank.

                                          

注意

SSTはおおくの利点をもっているが実走行する実車での値を正確に計測できるわけではないことに注意が必要。このことは殆どのかなり大規模なスケール風洞やら実車風洞でも同じである。
大切なことはAB比較が正確にできればよいということであり、このSSTもおなじでそのことを理解したうえで使用する必要がある。

 異なる風洞間で値がことなる理由はエンジンの馬力テストのように測定基準がつくれないこと、大型風洞においては建設に経済的制約がかかること、目的によってもタイプが幾つかに分かれること、風速の計測位置、床の境界層の問題、また基本的に静止した空気の中を車が進むのと、車が静止していて、そこに風が吹いてくるのでは空気の性質も異なる等いろいろ条件が関係してくる。
 しかしながら各風洞の発表する数値が同じ車両でも異なるということは不便なので最近ではThe European Aerodynamic Data Exchange (EADE) が発足し自動車製造業15社の実車風洞に10種類のことなったモデルの実車を持ち込みそれぞれの比較をおこなったり、N社がB社の風洞を使ったり、D社がC社の風洞でテストしたりのテストを行うようになった。これらの実車風洞間では補正係数をいれても最大誤差は0.020ほどあるようである。これは全基固定床風洞での値であるので床下形状の違いの効果が出にくい風洞での値である。
また全てロードカーでのテストなのでレースカーより車高が高く、床下形状の差は出にくい。
ムービングベルト付き実車風洞はまだ数が少ないのでこのような比較はまだ不可能である。ムービングベルト付き実車風洞でもタイヤごと全体がベルトに載るものはまだ数基しかない。そのうちの1基はアメリカにあり、ノズルサイズ、風速も最大級でありこの風洞は誰でもレンタルできる。
 ムービングベルトが付いていれば完璧かというとそうでもない。しかしここで計測したレースカーと、この車の信頼できる実車実走行計測値は揚力で20%の差があったとの報告もある。また私が使用してきた40-50%ムービングベルト付き風洞でもこの値は0.040程あった。
今のところは風洞値とその実車値とどのくらいちがうのかがおよそ把握されていれはそれでよく、肝心なことは毎回おなじ数値が計測され、且つ各テスト間の差が毎回正確に計測されることである


追記

レイノルズ数のところで説明しましたが文科系の方には判りにくいかも知れませんのでにすこし補足します。下のグラフは円柱を流れに直角に置いた場合のレイノルズ数とCdのテスト結果です。途中にCdが急変するところがあります。これがクリティカルポイントで上記のテスト結果には見られません。 細かいことを言えば車でもパーツによってはこのようなポイントがある箇所があるのかも知れませんが顕著に現れるほどではないということでしょう。 

 

*from Hoerner Fluid-Dynamic Drag

モデルが実車の半分の50%モデルを使用してテストすると、風速は半分ではなく2倍にしないとおなじ効果がでないのです。 空気の粘性と物の慣性力の関係でそうなります。球状の微細な花粉がいつまでも空中に浮いているのと、同じ球状でもパチンコ玉くらいの大きさではCd値は100も200も違います。 そして丸っこいものはこのレイノルズ数によって極端にCd値が大きく変化するポイントが存在します。このポイントの反対側でテストしていると間違った判断をしてしまします。しかし殆どの車の形状ではこのポイントは存在しないようです。 一般に流線型にはこのクリティカルな点が存在するのですが、角ばったレンガのようなものには存在しません。これをブラントボディと呼んでいます。しかしどんなに流線型に見える車でもブラントボディーに属するということです。1/18モデルで風速が25m/秒ですと、実車が時速1.4m/秒で走っているところを再現していることになります。 そんなに遅くても正確に再現できるのかということですがそれは上のテストで証明されているように絶対値は合いませんが相対値はちゃんとわかります。要するにレイノルズ数とCdグラフのラインに急変するところが見られなければ予想はつくということです。

 


 Accurate, Innovative, Manageable, Practical, and Easy to operate wind tunnel for designers.
   Corelation Test Result
 L 2000mm x W 800mm x H 1600mm, Model size 1/18 scale for most      passenger cars




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